2000年を境に銀塩写真プリンタ(アナログプリンタ)を業界が製造を止めた為一気にデジカメに突っ走り現在に至っています。
アナログプリンタは例外を除きデジタルデータを焼くことができません。しかしデジタルプリンタはスキャナーでフィルムをデータ化すると両方のプリントが出来ます。『一粒で2度美味しい』と売り込まれれば、商売ですから、両方で儲かると流れは変わりました。97年当時25,000店あった写真店は、全国で5,000店足らずで、銀塩写真プリンタで営業している店は5店舗位と言われています。
フィルムをアナログプリンタで焼いたものと、デジタルプリンタで焼いたものは、どのように違うのでしょうか?
永く写真を経験されているアマチュアカメラマンは、在る頃から近所の写真店にフィルムを出して、違和感を感じたと言います。ギラギラして、色も彩度もポジで撮ったようになる。程なく出していた店が廃業し、別な店を探して出しても、結果は同じで、永く冷蔵庫に入れておいたフィルムを当店の銀塩写真のアナログプリントで試したところ、納得の銀塩写真を得ることができたというお礼のメールを頂戴しました。
写真のその違いの謎をこのサイトで経験してください。フィルムをプリントするならアナログとデジタルのどちらが良いかをご判断下さい。
写真の殆どの時代は、銀塩写真でした2000年前後頃からデジカメが作られ銀塩写真プリンタの製造が中断されデジタルプリンタ一色になった趣が有ります。写真の学校や大学の暗室の引伸し機をイメージして貰うと分り易いのですが、光源が有りフィルターが中間にあり引伸しレンズがありイーゼルをセットして印画紙を置く、露光し終わったら、バットに入った薬液の処理になり、水洗して乾燥で出来上がり。そのプロセスをオートメーションにしたのが銀塩写真プロセッサー(アナログプリンタ)です。
同一駒処理すると仮定しますと一時間に1,300枚位の処理能力が有ります。
ネガカラーフィルムのラチュードは広く5~6絞りあると言われています。その広さを表現する為のモニタです。デジカメで言うRAWデータを天然でもっているのがネガカラーフィルムです。柔らかな表現はブラウン管が向いていたのでしょうフィルム用のマッチングの処理をして見ていますが、モニタと実焼きとの差分はオペレーターが見越して操作します。
パソコンのキーボードとは、配列もテンキーも有りません矢印キーでは画面の上下左右の移動の表示ができます。大切なのは、キー変化率と言って濃度とカラーバランスの設定が出来るため1キーのパーセントを小刻みに使うか大雑把に変化させるかという判段になるので、当然小刻みで設定しております。
アナログプリンタとデジタルプリンタの一番の大きな違いは、フィルムを取り扱う部分にあります。
こちらは35mmフィルム用ネガマスクになります。DXコードが入っている35mmフィルムのパーフォレーションのデータを読み取りメーカーフィルムのISO感度を読み取りアルゴリズムに対応した画像をモニタに表示します。マスクを変更すると、ハーフサイズ・ハイビジョンサイズ・パノラマサイズに画面を変更することができます。またワレットと言って証明写真の2分割・4分割の写真を作ることができます。
APSフィルム用にAPSフィルムネガマスクは別物であります。現在ではAPSフィルムの製造がされておりません。
DXコードのないB&Wフィルムを疑似的になんちゃってB&Wプリントをすることができます。
特殊な処理をした鏡で直線光を反射させて90度に光を屈折させています。また周辺光量の低下を防止する構造になっています。ランプ光源が近いため前後に1枚づつのデュフーザーで光を分散させています。ミラートンネルを外してブロアーで埃を飛ばす為、外してもセンサーが動作しないように始めからセンサーを付けていません。
左側がAマガジンでWマガジンの構造です。12種類の印画紙をセットすることができます。QSS23型では最大305mmで最小幅89mmの印画紙が有ります。又印画紙の面質で光沢・微光沢・マットというように面質がを変えても分るように工夫がされています。このタイプは暗室での印画紙交換になります。長いロール印画紙は187mで短いロールで印画紙幅が305mmの場合は長さは90mになります。
ペーパプロセッサーはアナログもデジタル機も構造は似通っています。只近年スピードを重視して印画紙が180度Uターンする上部ターンガイドで空気中で現像が進行するので、極力空気に触れないように現像から隣のBF(脱銀)に入るプロセッサーも有ります。
左が現像液・BF(脱銀)・ケミカルリンス洗浄1~4番になります。プロセッサーに入る手前で印画紙は振り分けられ、2レーン体制で処理されてゆきます。
2レーンで処理された印画紙は7番の上部ターンガイドから垂直に登りローラでスクィーズされて70度以上の熱風で乾燥されながらUターンを繰り返しベルトコンベアーへと導かれ、オーダー毎にトレイに出されるようになっております。
QSS23型で国内唯一稼働していると言われている銀塩写真プリンタが2台と部品1/2台分で何とか動かしております。全国で残っているミニラボで最大サイズが焼けるのが当機で、19型・26型がアナログプリンタとして稼働しているようです。引伸し機を使えば全紙だって焼けるという方もいるかも知れませんが、プロラボでアナログの指定をきっちり注文しなければ、出来る所も限られてきているのが実情です。
更にアナログ機を処分してしまっているプロラボも有ります。メーカーの基幹ラボではラムダ130という製造中止されているイタリア・ダースト社の大型デジタル機でアナログプリントと銘打ってプリントしています。
その意味で本物のフィルムからのアナログプリントは、いつまでやれるのだろう?と言う答えは誰一人応える事はできません。終了の日は明日かもしれないし、当分続くかもしれません。時代の流れで仕方のない事かもしれません。
フィルム写真の文化的価値をどのように見るのか?と言う問いかけでもあります。多くのプロのカメラマンからもデジ焼きとは違うというお声を頂戴しています。
このサイトの為に、20世紀のデジプリと全く進化の歩みを止めている銀塩写真プリントの違いは、要所要所で明らかに違う表現と言えるモノが散見出来ます。
誰が見ても彩度の違い・フィルムなのにデジカメのようなシャープな表現の差異は肉眼では分ります。
世界に冠たる2大プリンタメーカーは日本に有ります。現在では両社協業してデジタルプリンタを製造しております。
アナログミニラボで現在残っているプリンタ機材は、国内2大メーカーの中の一方のメーカーのプリンタのみです。モノづくり日本と言われて久しいのですが、排他的にならずアナログの写真文化が共存出来る業界にしてもらいたいものです。
また製造中止したパーツを部品メーカーに注文して再度製造して頂いたり、ストック部品をわけて頂いたりして現在かろうじて続けられている事にメーカーにこの場をかりて謝意を述べさせて頂きます。
銀塩写真プリントのご依頼は...
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